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涙は簡単に乾いてしまった。
今あるのは、望と隣同士で座っているという緊張感だけ。
・・・航のことは大好きだけど。
でも、それ以上に・・・大好きな、大切な人ができてしまった。
甘えたいと・・・そう感じる人が出来てしまったんだ。
・・・私は薄情だ。
3年付き合った彼氏が浮気していたというのに、望のときみたいに泣き腫らしたりしていないなんて。
それどころか、他の人のことを考えてるなんて。
私は、貴方を責めないよ。
悪いのは私だから。
貴方の罪を、咎められないわたしが悪いんだ。
・・・ごめんね、航。
ぎゅっと、膝の上で手を握った。
・・・すると。
その上から、ぎゅっと・・・大きな手に包み込まれる。
はっとみると。
望のかおは優しかった。
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