ウンメイ。

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キキィッとタイヤがコンクリートと擦れる音。 ドアが自動で開いて、望の家に到着したことを知らせた。 「・・・あの、ご両親・・・。」 そう聞くと、一言。 「・・・いない。」 と帰ってきた。 望曰く、叔父の誕生パーティーがあるとかで、出掛けているらしい。 なぜ望は行かなかったのか聞くと、またもや一言。 「・・・話したことないし、面倒くさい。」 と返ってきた。 まさに望らしい回答にふふふ、と笑みがこぼれる。 望の帰りが遅い予定だったのもあって、今日はお手伝いさんも来ていないらしく、家の中には本当に誰もいない。 「・・・お邪魔します。」 一言言うと、玄関の扉を開けた。
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