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「・・・望・・・。」
綺麗に望の足の間に収まられてしまった。
心臓はどくどくと高鳴り、顔も熱くなってくる。
「・・・ねぇ、詩音。」
耳元で囁かれるあまいこえ。
ぴくん、と体を震わせると、望の唇が首筋に落ちてくる。
「・・・?!ちょ、のぞ・・・!!」
ー・・・昨日までは、ここに航がいたのに・・・。
・・・おかしいな。
また・・・涙腺緩んできちゃったよ。
ぽろぽろって溢れてくる涙。
それを、望の大きな手がゆっくりと拭っていってくれる。
「・・・あの。」
「・・・俺じゃ航の代わりになれないのはわかってるけど・・・、でも。」
掠れた望の声が。
「・・・もっと、俺のこと頼ってくれていいんだって。」
心に、響く。
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