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Side航
ー・・・緊張する。
詩音の家にお邪魔するのはこれが初めてだから。
両親が留守中なのがまた俺をドキドキさせていた。
「・・・ヤバ、我慢効かなくなりそうだわ・・・。」
あの、無理矢理な形で詩音を手に入れた春から、詩音には手を出していない。
キスぐらいはするけど。
でもそれくらいしかできなくて。
・・・臆病なんだ。
詩音に嫌われてしまうのが、怖くて怖くてー・・・。
「・・・航?何してるのですか?」
玄関先で百面相していると母が不思議そうに俺を眺めていた。
「あ、そうだった。今日は詩音さんのお家にお邪魔するのでしたね。」
ふふふ、と面白そうに笑う母に恥ずかしくなり、行ってきます!と玄関の扉を開けた。
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