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Side 望
「・・・あー、寒い。」
12/24クリスマスイヴ。
世の中のカップルたちは騒ぎだし、ひとりの奴らは友達を誘い。
そんななか、親友や友達でさえ中学校最後のクリスマスを彼女と満喫するため、俺を置いていきやがった。
父さんと母さんは家でいちゃいちゃしてやがる。
そのため、俺は外でブラブラしていた。
ー・・・あー、詩音と別れていなければ、離れていてもこの日くらい一緒にー・・・。
そう考えてぶんぶん、と首を横に振る。
俺のせいなんだ。
俺さえー・・・
「・・・あれ、桐谷くん?」
「・・・え、あ、莉緒・・・ちゃん。」
・・・詩音の親友の莉緒ちゃんが、目の前に立っていた。
「ど、どうしたの桐谷くん。こんな日に一人で。」
「莉緒ちゃんこそ。」
・・・理由はわかっている。
お互いにぼっちなのだ。
「・・・ふぁ、ファミレスで愚痴大会でもしませんか?」
「・・・うん。」
二人、ファミレスで愚痴る。
12/24クリスマスイヴ。
詩音は誰と過ごしているんだろう。
・・・どうか、幸せでありますように。
end
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