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「詩音ーっ!かーえろっ!」
「ちょっと待っててー!」
セーラー服のスカートを揺らしながら、階段を降りる。
右手には猫系のキャラの刺繍が入った布製のスクールバックを持ち、左手には携帯を握る。
「詩音今日どこ行くー?カラオケでも行く?」
「えー、近くにおいしいカフェ出来たんだよ、そこ行こー!」
「お、いーね賛成っ!」
友達の恋歌と莉緒と放課後の廊下を通る。
「っと、ごめん!私返す本あったんだった!先行っててー!」
「おっけー、はやく追い付いてきてよー?」
図書室の前を通って、返却期限の本があることに気づき、鞄を漁る。
人気の恋愛小説の新刊を借りていたんだった。
きっと、予約で待ってる人がいるはず。
そう思って、図書室のドアを開けた。
ー・・・そこに、彼はいたんだ。
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