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「ああ、ニュースにもなっていたしな。確か女の子が自宅に火を放ってそのまま……」
「っ!」
俺の言葉に中原さんがわずかに動揺する。
「もしかして知り合いだったのか?」
「…………、」
中原さんが黙って頷く。
「……みのりちゃんは、私の親友でした。強くて、優しくて、私が小さい時男の子にいじめられてた時も体を張って助けてくれて…………。そんな、みのりちゃんがあんな事……」
「一家無理心中。ニュースではそう報道されていましたね」
「違います!」
お茶を持ってきた璃亜の言葉に中原さんが震えた声を上げた。
「みのりちゃんは、…………私の親友はそんな事するような子じゃありません!」
彼女の悲痛な言葉にはそうであって欲しいという彼女自身の願いもこめられているように思えた。
「だから、確かめて欲しいんです。みのりちゃんは自殺なんてする人じゃない、ましておじさんやおばさんまで巻き込もうとするなんて、絶対にありえません。普通じゃない何かがあったはずなんです」
「じゃあ、依頼っていうのは」
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