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俺は黙って彼女の言葉に耳を傾ける。
「死んだ人が何を望んでいるかなんて確かめようがないし、家族を失った人の気持ちなんて私には想像もつきません。だから、これは私の自己満足です。私の親友が……自分の意思であんな事をするはずがない、そう思いたいだけの…………」
彼女の気持ちは本物だ。
死んだ友人の名誉の為だとか、残された家族に対するわずかな救いを、だとかそんな綺麗事で塗り固める事もできたはず。
それを、自分のためと言い切った。
「わかったよ。君の友人の一件、この天柳相一が責任を持って引き受ける」
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