第一章 はじまりはいつも突然に

13/18

647人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「自分から火の中に、ですか」 早速パソコンを立ち上げメールボックスを確認する璃亜。 その言葉を改めて頭の中で反芻する。 自ら火の中へ…………。 その辺が自殺、無理心中だと思われる一因だろう。確かに傍から見れば、自ら命を投げ出したようにしか見えないよな。 「だからこそこの依頼なんだろうけどな」 「どう思いますか?」 どう、とはこの事件に俺たちの専門分野が関わっているかどうか、だろう。 「んー、まだなんとも…………ただ…………、」 「ただ?」 「あの子の、依頼主の思いは紛れもない本物だった。親友を信じる気持ちもな。だったら俺達も信じてやるしかないだろ」 「所長も乃里子さんの事言えない程度にはお人好しですよね」 「ほっとけ」
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

647人が本棚に入れています
本棚に追加