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璃亜は普段なら絶対見せないような、今にも泣き出しそうな表情で言葉を紡ぐ。
「相一様は何だってできたはずです。天柳家という力だけでなく、あなた自身の才能で。それを私の復讐なんかに付きあわせて、危険な目に合わせてしまった事も数えきれません。私が、相一様の人生を狂わせてしまっ――――」
璃亜の言葉は途中で途切れた。
否、途切れさせた。
正確には俺が右手を振り上げそのままに垂直に彼女の頭に振り下ろした。
簡単に言えばチョップをお見舞いしてやった。
「あ、あの……相一様……?」
璃亜が目を丸くしてこちらを見ている。
その様子がなんだか新鮮だったので、もう二、三発チョップを入れておく。
その度に目を瞑り体を震わせる仕草が妙に可愛らしい。
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