第二章 火前坊

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そこでそばかす少女が自分の存在を主張するようにおずおずと声を上げた。 「ああごめんごめん、話の続きはまた今度にしよう、今日はもう帰りなさい」   「……はい、失礼します」 そばかす少女は荷物を手早く纏めると軽く会釈をして教室から出て行った。 「じゃあ改めて、探偵さんがこの教室に一体何の用だい?」 改めて刈谷教員を観察する。 端正な顔立ちに清潔感のある髪型と女生徒からの人気が高そうな人だ。 「話が早くて助かるよ。聞きたいのはある生徒についてなんだけど」 「……もしかして日谷さんの事かい?」
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