第二章 火前坊

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そばかすが特徴的なこの少女、少し若いが間違いない今日放課後の教室で刈谷教員と二人で話をしていた子だ。 「さっき外にはこのそばかす少女はいなかった。そして安曇野さんの話では高校生による自宅への放火、だったよな。」 写真の中の人数は五人、そして外にいた家族の人数は四人、これが何を意味しているのかは明白だった。 日谷みのりの件に関して、安曇野さんに無理言って送ってもらった資料の中に気になる点があった。 それは……死体が無かった事。 普通、火災現場の焼死体というのは程度に差はあれど完全に焼失してしまう事は殆ど無い。 それが歯や骨の一部すら全く見つからないなんてことは異常ですらある。
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