第三章 人間と妖怪

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昇降口の数メートル向こう側に見覚えのある人物が立っていた。 爽やかな雰囲気に穏やかな表情、いかにも女子生徒受けのよさそうな風体の若い男。 「どうも、こんばんは刈谷先生」 「……おや、君は昼間の探偵さんじゃないか。こんな時間に学校へなんの用だい?」 刈谷雅紀は昼間会った時と変わらない、人当たりの良さそうな笑顔を浮かべたままこちらを見ている。 「おいおい、そっちから誘っておいて釣れない事言うじゃねぇか。ホテルに入ってから行為を拒否する女の子じゃねぇんだからよ」 「あはは、ごめんごめん。実は君が来るのを待ってたんだよ」 刈谷の言葉に眉を潜める。 「待ってた? 俺を?」 この男とは今日出会ったばかりだぞ? そんな奴に夜の学校で出待ちされる理由なんて…………ッ!?
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