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「はは、さすがに『彼ら』が警戒するだけの事はあるね」
「彼ら、だと?」
「見に覚えがないかい? 君が今まで解決してきた事件の中には『彼ら』が関わっていたものが幾つもあった。いい加減目障りなんだってさ君が」
……それで俺を誘い出して始末するために今回の事件を起こしたってのか。
「……そのためだけに、何の関係も無い人間を二人も殺したのか!?」
俺の言葉に刈谷は下卑た笑みを浮かべる。昼間に見た好青年然とした彼からは想像もできない程、いやらしく口元を歪めた品の無い笑顔。
「あはははは、人聞きが悪いなぁ。僕が直接手を出したわけじゃない、君も知ってるだろう?」
刈谷の言い草に一瞬で、頭が沸騰しかける。
なんとか堪えようとしたが次の一言で完全に理性が吹っ飛んだ。
「でも驚いた、まさか二人目でバレるなんて考えてなかったよ。予定では十人ぐらいぶっ殺すつもりだったんだけど、そんな楽しみも無くなっちゃったよ」
「テ、―――――メェ!!」
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