第三章 人間と妖怪

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「ぐっ、この……!?」 新たに生み出した光の障壁のお陰で、直撃こそしなかったものの衝撃を殺しきる事はできなかった。負荷に耐え切れずミシミシと全身が軋んでいく。 ズザザザッ! と足元から靴底と廊下の擦れる音がした。 あ……ぶ、ねぇえええええ!! なんて重さだよクソ! コード1で受けてたらそのまま死んでた!! 俺の扱う『結界』にはいくつか種類がある。 初めに炎の攻撃を防いだのはコード1、術者を中心とした球状の障壁を呼び出すもので、全方位からの攻撃を防ぐ事に優れているが反面、強力な一撃を防ぐのには向いていない。 そしてたった今俺の命を救ってくれたのがコード2、コード1とは違い一方向の攻撃しか防げないかわりに強力な攻撃をも防ぎきる強度を持っている。 もし最初と同じようにコード1で先の一撃を受けようとしていたら、障壁は容易く打ち破られ俺の身体が挽き肉になっていたに違いない。
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