第三章 人間と妖怪

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一メートル先の視界も確保できない、そんな所を全力で駆けたらどうなるか。答えは簡単。 「――――ッ!?」 粉塵の中から息を飲む声が聞こえてきた。だが、もう遅い。 突如、巨大な影が大きく傾いた、まるで何かに躓いたかのように。 バランスを崩した巨体はヘッドスライディングのように頭から床に突っ込んっだ。 ズガガガガッ! と、数メートルに渡り床を削りながら鬼の巨体が停止する。 「…………殺す」 廊下に身を投げたまま鬼が呟く。丁度、廊下の粉塵が晴れてきた。
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