第1章

34/49
前へ
/49ページ
次へ
7 宋一は足早に車に乗り込むと、エンジンをかけ発進させると同時に 「これは、どーゆーことやねん。えーっ? どない思うー?」 と、一人ごとと言うより、人に尋ねるような口調で呟いた。 咲代が会っていた榊なる人物が犯人だとしたら。 それは、もしかして榊利文の息子ではないか。 「30年前の復讐」 宋一はまた声に出した。 その為に咲代に近付いた。 自分の家族を、めちゃくちゃにした犯人時子、その娘を殺害して復讐を果たす。 いや、もし息子だとしても、当時の事件の真犯人は知らないはずである。 息子が成人している頃には、母親の静子は刑務所内で無くなっているが、この事件に不信感を抱いた彼は、探偵でも使って調査した。 その結果、まず、母親の無実を知る。 その後、父、利文の身辺を捜査し、当時、女がいたことも突き止める。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加