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「えっ!
さ、咲代ちゃんが二人と付き合ってたって?」
「そう卓也は言うとる」
確かに咲代は、若い頃から、ちょっと派手系で、恋愛感も広い所はあった。
顔だちも結構、べっぴんさんなのは、時子譲りだろう。
男からのアプローチも多かったに違いない。
(俺もイトコじゃなければ、いってたかもしれん)
そう思いながら宋一は、曖昧な笑いをかすかに浮かべた。
「と言うことは、咲代は雪雄君と先に付き合っていた。
その後、卓也とも付き合いだしたっちゅうことですか」
「咲代さんは、以前勤めていた会社で、雪雄さんと知り合い、付き合い始めた。
その関係も続けながら、次に入った勤め先にいた、卓也とも会っていた。
咲代さんはその時、卓也には、自分には結婚を考えている年下の彼氏がいてんねんとは、伝えていたが、逆に、雪雄さんには卓也の存在は隠しとった」
「それはさすがに言われへんでしょうね」
「二股と言っても、咲代さんが優先してたのは雪雄さんで、卓也とは割り切った付き合いだった」
「なるほど」
「それで
一年後、咲代さんは雪雄さんと結婚する。
所が結婚後も、たまにやが、卓也と密会してたらしい」
「そ、そうなんですか」
宋一は箸を止め、呆気にとられた。
咲代がそこまで恋に緩い女だったとは、これには宋一も気持ちが引いてしまった。
「さすがに
咲代さんが結婚して一年くらいは会わへんかったらしいんやけど、ぼちぼち連絡取り合って、また関係が復活したゆーとるわ。
せやけど、咲代さんに子供が出来たのをきっかけに、もう会うのやめようと言う話しになった。
そこで二人の関係は終わった」
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