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「その後、二人は会ってないんですか?」
「そーらしいで。
咲代さんは電話番号を変えたらしくて、卓也が連絡しても通じへんかった。
それならもうエエか。ってな感じで、卓也もその後、5年前に結婚した。
所が今年の3月に梅田で偶然、バッタリ二人は会うんやなぁ」
「なるほど。
それで二人の仲が復活した訳ですね」
「そうや。
ただ卓也が言うには、咲代は昔ほど反応は良くなかった。
誘われて、しょうがなく会ってる感ちゅーのがバリバリ見えてたらしい。
そんな気はなかったんやけど、暇やしエエかっちゅう感じやったらしいな。
そやから咲代は断ることもあった。
事件当日も、現場で待ち合わせし、車内でワイセツ行為をしようとしたんやけど、咲代は、抵抗し、もう連絡せんといてと、別れ話しを切り出した。
しかし卓也は納得しない。
『ほな、私、帰るわ。アンタ1人でホテルでも行ってきーや』
言われて、カッとなって首を絞めて殺した。
その後、咲代のハンドバックを持って現場から去り、途中の藪の中に捨てた。
その供述通り、ハンドバックが見つかり、
携帯電話には、卓也とのメールのやり取りも残っていた、っちゅう訳や」
広野は大きめのカツを口に入れた。
今までの話しに、30年前の事件は出て来なかった。
それだけでも、ホッとした宋一が
「そうでしたか。
しかし、ドロドロですねー」
と言うと広野も
「ホンマやな~、ドロドロ事件やな」
と苦笑した。
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