第1章

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今まで大して気にしていないような言いかたではあったが、やはりデカ。 不審感は抱いていたのだろう。 「そ、それは・・・」 (まずい、これはひじょーにまずい) 叱られている子供のように宋一はうつむき、目線を広野から外した。 額に薄く汗がにじみ、なんだか取り調べ感が漂って来て、容疑者の気分になってきた。 「やはり・・・自分も不思議に思ってて・・・・ムッチャ偶然の出来事で・・・・なんでこうなったのか・・・」 宋一が、しどろもどろになっていると、広野は一転、爽やかな表情になり 「もうエエよ。 なんか怪しいけど、今回の事件は、なんせ、宋ちゃんのおかげで犯人を捕まえてんから、許したるわ。 その話しは宋ちゃんが言える時期が来た時でエエから」 と笑った。 (助かった) 宋一は何も言わず、額の汗を腕でぬぐいながら、ペコリと頭を下げた。 店を出ると8月の強い日射しが二人の肌を刺した。 「今日も暑いのー。UVケアが必要やな。 なんせ、お年頃やから」 の初老刑事のボケに 「そうですね。ごっつぁんです」 と答えただけだったか 「おう、また食いに行こな」 と気にしてない風だった。 また、歩いて署に戻った二人は、そこで別れた。
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