人食いの村巷

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そんな細かいところはどうでもよくて、つまるところ私はいくら走っても疲れないし、汗もかかないと言うことだ。 シャワーによって落とす汚れは、まあだから埃とかそう言う系列のみになり、老廃物が出ないことから匂いとかもあまり気にしなくても大丈夫かもしれない、と言うことである。 それにしたって、できる限りチャンスがあればお湯につかるなりなんなりして行きたいところではあるけれど・・・・・・、要するに、私の不死性は意外と旅向きかもしれない。 「・・・・・・、とは言っても」 流石に一日中ずっと歩き続けていると飽き飽きしてくる。肉体的には疲れなくとも、精神的には割と疲弊する。 なにより一人旅であるが故、誰かと会話することも出来ず、時々私の隣を通り去っていく馬車とか車とか、そんな感じの乗り物に殺意を向けるくらいしかコミュニケイトが望めない。 ・・・・・・、いや、それはコミュニケイトしていると言えるのだろうか? しかも長いこと歩き続け、すでに時刻は夕暮れ。恐るべきことに街灯が設置されていないワールドに私はいるため、視界が暗くて仕方がない。 おつきみやまにでもいる気分だった。 まあ孤独には慣れている。友達だ。孤独こそ私の友達である。アイラブ孤独。孤高の狼と異名をとるのも時間の問題かもしれないぞ。 ・・・・・・、などと相変わらず意味不明なことを考えつつ、土を踏みしめる。暗い道を歩いていると、まるでRPGの世界にでも放り込まれたかのような錯覚に陥る。 ああ、いやはや、雰囲気的には実に悪くない。 ただちょっと怖い。 「・・・・・・、・・・・・・」 いや、だってこんな暗い道を一人で歩くのとか、日本にいた時は滅多にしなかったし・・・・・・、確かに、こうやって暗がりを歩くのは、最初に私が墜落死した森から街まで歩く時にも経験したけれど。 とは言っても、これは経験次第で慣れるようなものじゃない気がする・・・・・・、もちろん、怖くないと虚勢を張ることも可能だけれど、しかし私はそんな小狡い真似はしない。 普通に怖いよ、この道。 なまじ異世界なだけあって、幽霊とか普通に出てきそうだし。概念としてぼぉっと飛び出してきそうだし。
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