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「そして、これが一番解んねぇんだが・・・・・・、仮に、お前が『切り離された部分』の肉片を再利用して、傷を治しているんだとしても、〝過剰再生〟は引き起こるはずなんだ。切り離された部分の再生によって、プラスマイナスゼロだろ? そこに再生薬分プラスされれば、当然余剰が生まれる―――」
アンドートは、言う。
「・・・・・・、ははっ、そう考えると、答えは一つしかねぇよな。〝再生薬の方が無効化〟されているんだ。意味解んねぇ・・・・・・、死体の傷でさえ再生させられる、僕特性の劇薬だぜ? なんで効かねぇんだよ。死体以下かよお前」
「し、死体以下・・・・・・」
そんなこと、まさか人生のうちで言われることがあるとは思ってもみなかった・・・・・・、まあ、うん。食事も睡眠も必要ないことから考えれば、死体みたいなものだと言えなくもないだろうけれど・・・・・・。
「『怪我は治る』・・・・・・、『治癒もしない』・・・・・・、こう考えていくと、お前の不死の正体が解ってくるよな。キーワードは『不変』だ。お前の身体に変化が起ころうとすると、常に『元の状態に戻っている』・・・・・・、変化を受け付けねぇんだな、お前の身体」
「・・・・・・、変化を、受け付け、ない」
その言葉は。
妙にしっくりと、来た。
眠らなくても死なない。いくら歩いても、走っても、武器を振り回しても、疲れない。食事を取らなくても問題ない。食べ物も、栄養も、いらない。瓦礫に埋もれて呼吸ができなくなっても、大丈夫。酸素すら不要。
何が起こっても、変わらない。
変化しても、常に元に戻ろうとする。
「【不変の不死者】―――、それがお前の、正体だ」
アンドート・バルバデッドは。
そう、高らかに宣言した。
「・・・・・・、・・・・・・」
「・・・・・・、なんだぁ? その面は。・・・・・・、ははっ、なるほど? お前、さては自分でも、てめぇの正体を理解出来ていなかったな?」
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