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この地に住んでいれば、きっといつか再会できると思った。
志鎌さんも私の事を、あの日からずっと思っていてくれたらしい。
「ずっと伝えたかった事があるんだ。
また雛乃ちゃんに会えたら、写真を撮らせてもらって、それから・・・。」
「わっ・・・私も!
ずっと志鎌さんに伝えたい事があって・・・!!」
何よりも先に、この言葉を伝えたかった。
諦めたはずの夢。
形は変わってしまったけど、再び大好きなものに触れられるようになったから。
「ありがとうございますっ・・・!!
きっと志鎌さんと出会えたから、私はもう一度夢に向かって頑張ってみようと思えるようになったんです!」
涙が出てくる。
だけど、めいっぱいの笑顔でそう告げた私。
目の前で切られたシャッター。
私の涙混じりの笑顔を、彼は再会の証にしっかりとカメラに収めていた。
「俺の方こそ・・・、本当にありがとう・・・――――――」
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