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「居場所は大丈夫として、あとは原因となった感情を調べないとな」
一方の龍騎は、調べるべきもう一つの謎を考えていた。
魔法探偵の仕事はオーバーストした子どもの確保と、原因となった感情を割り出すことだ。
「よし、二人目以降を当たっていくか」
意霧に渡されたメモの、夢乃の下に載っている人物に話を聞いていくことにした。
「分かりません」
「そうですか」
何人か話を聞いてみようと訪問するが、有益な情報はなかった。
地中に埋められた弟の遺体のことも気になる。
「いまいち進みが悪いな」
奈々華は早く終わりそうだと言ったが、やはりそううまくは行かないようだ。
そろそろメモに載っている人物リストも終わりに近づいていく中、やっと話を聞ける人物に出会えた。
「警察ですか?」
野宮明(のみやあかり)、遊子の部活の仲間と載っている。
いつものように偽装警察手帳を見せるが、どうにも警戒させてしまう。
そうしないと話を聞く理由がなくなるので仕方ないのだが。
「何か家庭内で問題があったなど聞いていませんか?」
「火災に関係あるんですか?」
もっともな反応である。
「発火が事故でなく放火なら、家庭内の誰かが犯人の可能性もあるので、念のため家庭内に問題が起きていなかったか調べているんです」
「なるほど・・・。特に聞いては」
そう言いかけて、ふと思い出したように話し出した。
「関係あるか分かりませんが、彼女、遊子ちゃんとはクラブが一緒なんですけど、普段彼女は着替えてからグラウンドに来るんですよ。ただ、一度だけ彼女が部室の更衣室で着替えたことがあって、その時ちらっと見えたんですよ。体中にアザがあったのを」
「アザ、ですか?」
「彼女は隠しながら着替えていたんで、見えたのは一瞬だったんですけどね。まさか虐待を受けていたりとかするのかなって思ったんですよ」
「それを誰かに言いましたか?」
「いえ、彼女とはそこまで仲が良いわけじゃないので、深入りするのも悪いかなって思って」
龍騎はできるだけメモを取る。
予想外な話が出てきたが、オーバーストの原因にはかなり近い内容だと感じていた。
「ちなみに、それを見たのはいつごろですか?」
「んと、一週間前くらいですかね」
(意外と最近だな・・・)
その質問を最後に、龍騎は一礼して明の家を去った。
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