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一旦引っ込むきぃ君だけど、ちゃっかりテーブルの上に置いてあった夕飯のおかずを摘まんでいった。
さて、きぃ君帰ってきたからスープ暖め直してパン焼かなきゃ。
その間にもせっせと夕飯の支度を進める。
「いい匂いだな。」
きぃ君が部屋着姿で戻ってくる。
「でしょ??」
いつもの会話。
変わらない、日常。
「そうだきぃ君、今日クッキーの用意してくれたでしょ??
ありがとね。」
笑って言ってもきぃ君はそっぽ向いて、別にって呟くだけ。
だから僕はもう一回ありがとねって言うんだ。
「雑鬼たちにはお世話になってるからなんかお礼したいなぁ。」
ボソッとつい呟いてしまったその一言さえもきぃ君は拾ってくれるんだ。
「あいつらには甘いもん与えとけば大丈夫だろ。
・・・そんなに世話になってるのか?」
「甘いもの、ね。
今度ケーキでも焼こ。
お世話になってるよ?」
それがなにか、と首を倒す。
「いや、あいつらがどういうモノなのか俺よく知らないし。
あいつら姿見せてくれないから。」
きぃ君が知らないなんて!!
どれだけなぞに包まれた生物なんだ、雑鬼って。
「ちっちゃくて可愛いよ??
いつも掃除とか手伝ってくれるんだ。」
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