14. 告白

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* 二次試験に向けて突き進む日々が始まる。 卒業して先生のそばにいるためには、必ず第一志望に合格しないといけない。だから出願は全く迷わなかった。 もちろん、センターがうまくいかなかったときのためにあらかじめ他の候補も考えてはいた。だけど、それを選択する必要はないと判断した。前期も後期も同じ大学の同じ学科でいく。 リスクがあるかもしれないけど、センター試験でA判定が取れたのは大きかった。志望学科はセンター配点がそこそこあるから、アドバンテージになる。しかも二次試験は科目も限られていて、得意科目だった。この調子で進めたら前期での合格が期待できる。 ただそれでも、体調を崩したりするなど万が一のことがあったらいけないからと両親が心配しているので、念のため私立も出願している。 保険を作っていいよと言ってくれるのはとてもありがたいことだ。だけどあくまで滑り止めで、真剣には考えていなかった。 あたしは第一志望だけに絞り込むことが不思議と怖くなかった。今のあたしには力がみなぎっていて、無敵感がある。高校に入って初めての感覚かもしれない。そして、少し懐かしくもある。 別に浮かれているわけではないし、地に足をつけて真面目にコツコツと勉強している。何時間机に向かっても集中できているし、内容もちゃんと頭に入ってくる。
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