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「ほらぁ優、早く行かないと、生徒指導室だよね?授業始まる前に」と礼央。
「しゃーねーな~。先生から告られても困んだけど、行ってやるか」
やれやれ、と苦笑いする礼央の前を通り、俺は教室のドアへ向かった。
その様子を、透も礼央の隣の席から何も言わずに眺めていた。
しかし俺が教室を出たとたん、授業を告げるチャイムが鳴ってしまう。
キーン コーン カーン コーン…
「あれー、上城くん。授業そろそろ始まるよ?サボり?」
と廊下に出た俺に気付いた男子が、教室の中から俺に声をかける。
俺が「女子から呼び出しだよ」と言うと、クラス中がザワッと反応した。
そんな様子を見て、透はクスクスと笑いながら自分の口元を漫画本で隠していた。
そして俺は、皆もう教室へ入ったので誰もいない廊下を歩き、指定された生徒指導室へ向かった。
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