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プチ プチ…と、カッターシャツのボタンを胸元まで はだけて、わざとにネックレスを見せる。
髪型もわざとにクシャクシャと崩して、寝起きの姿みたいにする。
カチャッ
シュボッ
かぽんっ
常にズボンのポケットに入っている香水を、軽くワンプッシュ。
そして一呼吸し、ドアノブに手を回した。
「失礼しますよー」
ガラッと、扉を開けた。
最大限の工夫をして、色っぽい声を作ってやった。
しかし返って来たのは、ドスの利いた太くてがっしりとしたおっさんの声だった。
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