雫一滴:日常茶飯事

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「待ちなさいよ!」 「だから、私が何をしたって言うのかしら?追いかけて来ないでちょうだい!」 美雨(みう)の通う高校・桜高校。 偏差値は普通で、進学校とまでは行かないレベルの、公立高等学校だ。 「あなた達、それでも高校生なのかしら!?」 「そのあんたの特有の反応が面白いんだよっ」 パタパタ… 沢山の生徒が必死で走って行く美雨を振り返る。まるで小学生の鬼ごっこみたいだ。 走っている中庭の向かい側には、小さな校舎を挟んで道路がある。この時間ならベビーカーを連れて歩いている主婦の人が多い。 フェンスを越えて多分漏れてるであろう会話に、「あら?ここは小学校だったのかしら」なんて思ってるに違いない。 「あっ、そろそろチャイム鳴るよ」
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