雫一滴:日常茶飯事

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「早く走って行かないと、授業に遅れてしまうわ…」 走れる気力など今の美雨には残されていない。 美雨は諦(あきら)め、遅刻覚悟で遠い教室を歩いて目指すことにした。 こんな暑い日に校内を意味もなく走る者なんていない。 美雨は誰かに後ろ指さされながら、ぼろぼろに崩れたヘアスタイルで、てくてくと歩き始めた。 高校に入ってからは、毎日がこうである。いつの頃からか、彼女らの『標的』にされているのだ。
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