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「姉さん!いま帰ったの??」
広さ百坪のリビングから、螺旋階段を上がってくる制服姿の姉を見つけた奏多は、シャーペンを置き、カッシーナのソファーからスッと立ち上がった。
「あぁ、奏多。また勉強しているのね」
ここ、リビングは二階だ。
螺旋階段は一階から二階を繋ぐだけで、三階へ行くにはリビングのなかを通って、また別の階段を使用する構造だった。
華乃が奏多の横を通りすぎようとしたとき
「姉さんもやってみない?一度僕とショウブしてみようよ。どっちが早く解けるかな」
しかし華乃は、奏多が差し出してきた問題集の表紙を見て驚いた。
「ってあんた、これ高校二年生の問題じゃない!」
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