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「塾のセンセイからプレゼントされたんだ。『もはや花園くんは、もしも米国なら、飛び級で大学に行けるんじゃないか』と言われたよ」
「もう、ほんっと可愛いげのない子なんだから。私は部屋を片付けなくてはならないから、また後でね!」
華乃は、問題集を奏多に押し付け、パタパタとスリッパの足音を立てて、リビングをあとにした。
そんな華乃の後ろ姿を、奏多は突っ立ったまま、無表情で見ていた。
そして、ボソッと呟いた。
「いつもそうやって、『後でね』って言って。
本当に後で構ってくれた事なんて無いくせにね」
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