第5話

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「え……?」 華乃は、振り向いた。華乃には、奏多が何て言ったかは聞き取れなかったが、奏多の声が聞こえたような気がしたので、立ち止まったのだ。 しかし奏多は、ニコニコと笑顔を向けて「どうかしたの?姉さん」と言った…。 「今、なにか言った?」 「なにも言ってないよ」 「そう」 「お嬢様、お帰りなさいませ」 「あ、菜月さん。あのね、図書室に掃除機をかけておいて欲しいの」 「かしこまりました。ですが、急にどうなさったのですか?」 菜月は、薔薇園の薔薇たちに水やりを終え、螺旋階段を上がってきた所だった。
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