第5話

25/27
前へ
/27ページ
次へ
問題集をテーブルにパサッと置き、ふかふかのソファーに座った。テーブルの上の開きっぱなしのノートに並ぶ、Xや√といった文字列。 「ふぅ」 この数式も、全部解けてしまったよ。 中一の僕が、高二の問題を解ける。 塾のオトモダチには、よく羨ましいって言われるよ。センセイにも褒められるよ。 だけどね、僕は、こんなの全然嬉しくない。 僕が本当に解きたいのは、あなたの心だけ。 あなたの心だけなんだ、姉さん…。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加