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その日の六時。
花園家のダイニングに美月と、もう一人、若い女性の声が聞こえる。
「――で、ここがおぼっちゃまのお席よ。食事中は、後ろに立っているの。私たちの食事は皆様が終えてからよ」
「は、はい!」と返事をする、美月と同じメイド服を着た若い女性。
「では菜月さんには、さっそくフォークとナイフを全員分セッティングしてもらいましょうか」
と明るく美月が言ったのに対し、その若い女性が返事をしようとしたとき
「あらあら。なんだか急に、美月ちゃんが様になっているわねぇ」
と華子の声がした。
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