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そうな事を考えていると、
「そうなんだ。皐月ちゃん好きな人いるんだね。幸樹はその相手知らないの」
寿人がそう尋ねてきた。
「俺は知らねーよ。てか気になるなら本人に直接きいたら?多分答えてくれると思うけど」
俺はちょっと悪戯心を出してそう言ってみた。すると寿人は動揺バレバレでしどろもどろになってしまった。
少しして寿人は決心したかの様に、
「うん俺皐月ちゃんに聞いてみる。んでいけそうならデートに誘ってみるよ」
今までに無い程の真剣な寿人の口調に、幸樹は茶化すのも忘れてしまいただ頑張れ、と言う事しかできなかった。
遂に一代決心をした親友に、幸樹がエールを送ってやろうとした時、寿人が、
「そういえばさあ幸樹、お前は全然恋愛話とかしないよな。お前も結構女の子にモテて告白とかされてたのにさ。一回も付き合った話とか聞かないし、もしかして、まだ昔の、あの娘の事が好きだったりするのか?」
幸樹は、寿人との立場が急に逆転してしまい慌ててしまう。
寿人の言うあの娘とは、幸樹が一目惚れした女の子の事だった。
その娘の名前は虹原葵。小学生高学年の頃転校して来て中学生の最後の頃再び転校してしまった。幸樹は葵が転校して来た時一目惚れをした。しかも幸樹の家の隣に引っ越してきた。幸樹は運命の出逢いと信じて葵にアタックはしていたのだが、緊張しいの性格だった為ちゃんと告白出来ずにいた。
そして幸樹が一代決心をして葵を呼び出した中学生最後の夏休み、幸樹は葵に告白した。だが葵は涙を流しながら、
「幸君ありがとうでもごめんなさい。あたしね、家の事情で来週には引っ越しちゃうんだ………あたしもね実は幸君の事好きだったんだよ。けど一緒に居られないならあたしなんかとは付き合えないよね」
幸樹は突然の葵の告白に衝撃を受けたが、幸樹は葵に葵の事を諦めない事を告げた。
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