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それから一週間後のこと。
「お前いつ家出ってくれんの?」
学校もうない休日の日に俺は一時読んでいる漫画雑誌から目を離して目の前の妖怪の総大将に問いかけた。
「えっ、出てく気ないよ私」
「出てくきないよじゃねーよ! 早く出てけよ!」
当然とばかりにいうぬらりひょんに俺はつっこんだ。
「たくっ、俺の何に興味を持ったて言うんだよ?」
「このぬらりひょんを視認できるところ」
「お前のこと見えるやつなんて普通に人間にもいるだろ。霊感強ければ」
「そんなバナナ!!」
「ゴスッ!!」
「痛い!?」
「何かノリがムカつくんで殴った」
「何そのあいつムカつくんで殺しました的なノリ」
「今度エクソシストとか陰陽師とか連れてきてお祓いしてもらおうかな」
「すいませんでした」
何かこいつ最近日が立つにつれ調子にのってきてないか。
「でも実のところ私を視認出来るというのは本当に興味深いわ。霊感があれば誰でも見えるってわけじゃないんだよ、わたしは」
「そうなのか?」
「そうなの。ぬらりひょんは仏尊に例えると摩利支天だから」
「わかりやすく言え。俺は霊感は強いがオカルトマニアじゃない」
「隠行が得意」
「なるほど」
「隠行を行使した東海や呪術者は霊感が少し高い程度の一般人には視ることができないからね」
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