ぬらりひょん少女

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   二人は帰宅して夕食をとった後、それぞれ自由に動いていた。といってもぬらりひょんも俺が録画した深夜アニメを一緒にみていた。そのアニメが終わるとぬらりひょんが言った。 「何かゲームとかしない?」 「なんの?」 「エロゲー」 「なんで女とエロゲーしなきゃならねーんだよ! 恋人同士でもあるまいし」 「恋人同士ならエロゲー一緒にするの?」 「知らんけどするんじゃねえの? 前メロンブックスでエロ同人コーナーみてるカップル見かけた。というか秋葉原にいくと毎回みかける」 「なんとなく思ってたけど、やっぱり雄也ってオタクなんだね」 「悪いかよ」  ぬらりひょんの問いに俺はぶっきらぼうに答えた。 ちなみに俺の家は千代田区の神保町にあり、秋葉原駅とも割と近く自転車でも行ける距離だ。両親は共働きで海外に出張中家に帰ってくることは殆んどない。 「で、結局何すんだ?」  俺は話を戻して何のゲームをするのかぬらりひょんに聞いた。 「これがいい」と、彼女はゲームソフトがつんである場所をガサガサあさった後PSP用のゲームソフトを提示してきた。 「格ゲーか」 それから数時間後― 「なんで勝てないの~」  と、言ったのはぬらりひょん。思いの外ぬらりひょんのゲームの腕は雑魚過ぎた。 「お前が雑魚だからだよ」 「雑魚とは何よ。雑魚とは!? 私は妖怪の総大将よ」 「いや妖怪の総大将関係ないから。それに人んちに勝手に上がりこんで茶すすってキセルふかしてるだけの妖怪だろうが」  憤慨するぬらりひょんに俺は言った。すると― 「何よ、それ」と、雰囲気の変わった様子でぬらりひょんが言った。 「それ私がやっぱりこの家にいられて迷惑てこと?」  と、ぬらりひょんが続けて言った。 「迷惑に決まってんだろ」  本当は彼女との日々がだんだん楽しくなってきていて、あまりぬらりひょんが居候していることを迷惑とは思わなくなっていたが、慢心されても困るのであえてこの言葉を口にしたのであった。 「あっそ、なら出ていくわ」  と、俺にとっては予想だにしない言葉を口にした。 「は? 何言って―」  言い終わる前にぬらりひょんはそそくさと家のドアを開けてで出て行った。 「う~ん、言いすぎたかなあ」   怒るとは思っていたがまさか家を出ていくとは予想していなかったのだ。
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