#1 片桐咲也と王子様

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小さかった俺はまだ知らなかった。 そんなすげえ奴だっただなんて。 「大きくなったら、また会える?」 「うん。絶対会えるよ。」 「約束だよ。」 「うん…約束。」 そんなガキのことなんて、覚えてない。 忘れかけていた。そんな小さくて大きなことを。 「あともうひとつ…ーーーーーーーーー。」 …でもあいつは。 俺の″王子様″は覚えていた。 ーーーー10年ぶりの再会。 高1の春。
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