#1 片桐咲也と王子様

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「「「キャアーッ!!!」」」 突然あがった黄色い歓声に、ハッと現実に引き戻された。 「…なんだよ…。」 歓声があがった正体を確かめようとキョロキョロと辺りを見回す。 眠いのになんだよ…。 気を張っていないとすぐ落ちてくる瞼を、無理矢理こじ開けて壇上を見上げる。 俺の視線の先には…出来過ぎてるってくらい整った顔立ちの奴がいた。 「…なあ、圭。あいつ、誰?」 「…んぇ…?」 「いや起きろよ。」 ベシ、と軽く圭の頬を叩いて起こす。 「んん…なんだよ…。」 「だから、あいつ。誰?」 奴の方向を指を差して示す。 「んー。あぁ。柊木秀だよ。」 「ヒイラギ…シュウ?」 何故か聞き覚えのある名前に違和感を覚える。 あんな奴、見たことないはずなのに…。
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