Ⅸ 毒林檎

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「いつだって帰れるさ。リムジンさえ呼べばね」 己を取り巻く環境を揶揄するように 藍色の空をバックに和樹は少し投げやりに呟いた。 「眠らなくて平気?」 「うん。ちっとも眠くないんだ」 甘えるように頭をもたせかける 彼の髪を撫でながら。 「なら、僕に少し時間をくれないか?」 僕は言った。
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