第1話

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ある晴れた日の朝、登校中の生徒達が挨拶を交わすありふれた光景。 「みさき先生おはよーございまーす」 「おはよう白川くん。…ってコラ、瀬良先生って呼びなさいって、いつも言ってるでしょ?」 「だって瀬良先生って呼びにくいよ」 「だからって名前で呼ぶのは…」 「おはよー!みさき先生」 「ほら、藤咲も名前で呼んでるじゃん」 「おはよう。藤咲さんも私の事は瀬良先生って呼んでって…」 「えー呼びにくいからやだー。名前の方が親しみがあって、可愛いから良いじゃん。じゃねー先生また学校で!」 と言いながら、白川と藤咲は学校へ向かって行った。 「まったく、もう…」 つぶやきながらも、みさきは笑顔になる。 瀬良(せら)みさき、28歳。 職業:高校の英語教師。 みさきが教師になろうと思ったきっかけは、高校2年生の時。 英語教師だった女性が帰国子女で、美人だがサッパリした男らしい性格だった。 授業は海外に住んでいた事を活かした内容で、実用的でとても面白く、こんな教師になりたいと憧れた。 そして高校を卒業し、大学で教員免許を取り念願の英語教師になったのだ。 現在は、生徒から姉のように慕われるようになって、毎日楽しい日々を送っている。 みさきは横断歩道の手前で、ぼーっと立っている男子生徒がいるのに気付いた。 「おはよう。こんな所に立ってどうしたの?気分でも悪い?」 すると男子生徒は驚いた顔をして 「…あんた、オレが視えるのか?」 みさきは、しまったと思った。 ――その男子生徒は幽霊だったのだ。
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