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みさきは、とりあえず出勤しようと学校へ向かおうとする。
「ねぇ、キミ。ここに居ても何も分からないし、私と一緒に学校に行かない?」
「学校?」
「私、高校の教師なの。それに、その制服ウチの高校のだから、何か思い出すかもしれないよ。」
男子生徒が着ている制服は普通の学ランだが、色が明るい紺色で袖に白いラインが入っているという特徴がある。
男子はもちろん、女子からも人気の高い学ランだ。
180cm近い長身から伸びた長い手足。
整った顔立ち。
男子生徒は、均整のとれた容姿をしている。
みさきはその顔を改めてよく見ていると、中学時代の記憶が脳裏に浮かんできた。
「……ねぇ、もしかして……甲斐くん…?」
「カ…イ…?……うっ……」
その時、頭に強い痛みを感じ、男子生徒はうめき声を上げる。
「大丈夫!?」
「はぁっ…はぁっ……その名前…聞き覚えがある。」
「甲斐鷹絋(カイ タカヒロ)。小・中学校の同級生だったの。中学1年の冬にご両親の転勤で引っ越して、それから会ってないんだけど…。」
「カイ タカヒロ…。それがオレの名前?」
「とにかく学校へ行ってみよう。過去の卒業アルバムに載ってるかもしれない。」
「…そうだな。行ってみるか。」
二人は学校へと急いだ。
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