第2話

3/4
前へ
/7ページ
次へ
「ここなんだけど見覚えある?」 「…いや、わかんねぇ」 学校の正門に着き、みさきは男子生徒に尋ねる。 二人は職員室に行き、朝礼を終えた。 今日は1時限目の授業がなかったので、資料室で過去の卒業アルバムを探す。 「私と同い年なら20XX年卒業のハズ………あっ、いた!!」 ――3年2組 甲斐鷹絋―― 「やっぱり甲斐くんだ…」 そこに写っている写真は、今みさきの隣にいる男子生徒の顔だった。 自分の顔写真をじっと見つめる甲斐。 その横顔を複雑な表情で見つめるみさき。 みさきは困惑していた。 学校に向かっている時も、他人のそら似であって欲しいと思っていたほどだ。 実は、甲斐はみさきの初恋の相手だったのだ。 それが高校生の姿で霊となって、みさきの隣にいる。 少なくとも、卒業アルバムの写真撮影後に亡くなったという事だろう。 あまりにも早すぎる死。 15年ぶりに再会した初恋の相手が、幽霊となって現れたという現実を、みさきは受け入れる事が出来ない。 ずっと自分の顔写真を見ていた甲斐が、ふいに口を開く。 「なぁ、ページめくってくんない?集合写真とかも見たい。」 「えっ、あっ、そうだね。ごめんね気付かなくて!」 動揺していたみさきは、慌ててページをめくる。 修学旅行の集合写真や体育祭の写真など、みんな楽しそうに写っていた。 その中でも、甲斐は人一倍目立っている。 高校でもクラスの中心的存在だったようだ。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加