第3章:マラソン大会

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「寒いねー」 「あたし、カイロ持って来たの」 あかねが誰かと話している間、奈央子はみつあみを結んでいた。 キュッ 「ふうー。これでいいかな」 ミニ鏡でチェック。 「そんなんしなくても、奈央子はカワイーよー」 とあかねと話していた女の子がケラケラと笑う。 「あんたさぁ、そんなの走る時まで髪型気にしてたら、走れないじゃん?」 「あかねちゃんはどうせ速いでしょ、私はどうせ遅いもん」 あかねは運動神経もバツグンだった。 そして、ピーッと笛が鳴り「クラスごとに背の順に並んでー」と男の先生の声が、スピーカーホンから響く。皆「だりぃー」などと言いながら、クラス順の位置に整列をはじめた。 とその時「あら、優じゃない。久しぶりね」とあかね。 ん?優? またしても みつあみを編み直していた奈央子は、パッとあかねの方を振り向いた。 見れば、あかねちゃんが、あの超 危険最悪男子・ 上城くんと 喋ってるじゃありませんか!
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