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翌日の放課後。
奈央子は、テニス部へ行くあかねと別れ、教室を出た。ちなみに奈央子は部活には入ってない。
行く先は―…
チョコ寮。
一年生から三年生まで全てのクラスが入っている校舎を後にした。
中庭の通路は赤土色のレンガ造りになっており、通路の両端には大きな木が植えられている。
大勢の生徒らが行き来している中庭の通路を通りすぎると、女子寮と男子寮の建物が横に並んで建っているのが見えてきた。
建物の形は横長で、横に並んで建っている。
共に白い外壁で、洋風なデザイン。
女子寮と男子寮の建物には、一メートルほどの隙間があって、そこには何もない。土で出来た通路があるのみ。大人一人くらい入れるスペースだった。
奈央子は、周りに自分を見ている人がいないかを確認し、その隙間にスッと入って、そのまま足を進めた。
そして通り抜ける先には、山のふもとのような、木が生い茂っている光景。足元は雑草や小さな花でおおわれている。
人が歩けるように 草花が刈られている細い道を少し歩くと、茶色の二階建ての建物が視界に現れた。
男子寮・女子寮の半分位の大きさだった。
奈央子は、アンティーク風の引き戸を開けた。
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