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「先生に聞いたら、髪の色が原因なんだって。でも、この学校にキンパの人はおれ以外にもウジャウジャいるし。だから、何か理不尽だとずっと思ってる」
礼央の髪は、全体的にマルコメのように短い、そして色は全てが金だった。
「え!もしかして、その金髪が理由で、この寮に入れられたの!?」
「そーだよー。
中三の時、合格発表があった後に、寮の部屋割りの通知が来る時にね、『入寮日、貴殿は、生徒指導室に来るように』ってな具合で。で おれは このチョコ寮って寮に入らさせられる事を、先生から聞かされたって言うね」
「へ、へぇ……」
「普通に男子寮に入るつもりでいたけど。何でおれだけ特別視されてるのかって思ったし!」
礼央は当時の記憶を思い出しているのか、少し興奮ぎみに話した。
「そ、その時から金髪だったの?」
と奈央子。
「そーそー。や、受験や面接の時は黒くしたけどね」
確かにこの学校には、金髪とか、とにかく髪を染めてる人は何人もいる。そして、その中にも中学生の時から染めていた人だって、いただろう。
「確かに、なんで礼央くんだけなのかなぁ?他に理由は、っていうか、心当たりは無いの?」
「なーい!」と、微笑みながら、明るく答える礼央。
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