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右左共に木々で覆われている裏道は、風が少し吹くだけで、葉が揺れる音がさわさわと鳴っていた。茶色い枯れ葉が、土の道をかする音もする。
「そうだよな?アイツに会いにいくんでしょ」
「手、離してよ。急ぎたいの」
ちょっと厄介な人に好かれているな、と奈央子は思った。
「俺の質問に答えて」
「だから、優のお見舞いに行くんだよ。優、熱があるらしいの。はい、答えたよ!?離して!」
「やだ」
奈央子は、彼の性質をまだ理解していなかった。そもそも野城と出逢ったのは苺学園に入学してからで、一学期の頃だ。
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