第5章:優見舞い申し上げます

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キーン コーン カーン コーン… 朝のホームルームの知らせを告げるチャイムが、苺学園の全ての教室に鳴り響く。 奈央子は席に座っていた。後ろの席の主・あかねの姿がまだ ない。 まさかあかねちゃんまで風邪!? 奈央子はふと、そんな事を考えた。 奈央子が鞄の中身を、机の中に入れていると、あかねが教室の前のドアから、他の生徒達に紛れて入って来た。 「あかねちゃん。昨日、電話待ってたんだよ~!」 あかねが席に着くなり、奈央子は身体を後ろに向けて、話を切り出した。 「あ゛ー。走って来たから、ちょっと待って」 鞄をドサッと机に置いたものの、あかねはしばらくハァハァと息を切らしていた。 「ふう。で、なに?」
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