第5章:優見舞い申し上げます

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「電話だよ!後で掛け直すって言ってたのに結局 掛けてくれなかったじゃん!私、待ってたのに!」 あかねは「あぁ、ごめんごめん」と言いながら、鞄のチャック開けて、手鏡を取り出し、髪型のチェックを始めた。 そして「はーい。席に着いてー」という若い女性の声がした。このクラスの担任の先生である。 先生は、黒板の前に立つと、持っていた黒いカゴ(中にはプリント類が大量に入っている)を、教壇の上に置いた。 「今日の七時間目は、来月初めに開催される文化祭で、このクラスでやる模擬店について、話し合う予定です。それまでに、文化祭で自分のやりたい事を考えておくように」 文化祭について話し合うのは、今日が初めてになる。クラス中はざわめいた。 「文化祭かあー」 そして先生がプリント類が配布していく中、奈央子は後ろを向いて、あかねとお喋りをしていた。
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