第5章:優見舞い申し上げます

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「では出席をとります。来ていない人はー…上城がいないのか?」 「先生ー。上城くん、風邪引いて今日休みです」 礼央の声に「そうか」と男の先生が応えると、出欠簿にチェックを付けた。 こちらは優・透・礼央のクラス、A組。 「上城が休みとか、今日は静かだなー」 と誰かが言った。 うん、まず女の子たちの騒ぎ声がないからね、と礼央と透は納得した。 そして男の先生が、今日の予定を話し始めた。 「なあ、上城は『風邪引いた』って、そう言えって言われたんだろ」 礼央の隣の席の男の子が、クスクスと笑いながら言った。 「いやいや、確かに体温計でちゃんと計ったら、微熱はあったし。優はバカじゃないからね。て!文化祭か~」 先生が、文化祭の事を今日の七時間目に話す、と言った所だった。 ちなみに今日の七時間目は、全クラスが『ロングホームルーム』の時間だった。
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